視察に訪れた神奈川県横須賀市議に被災地を案内する三陸鉄道の赤沼喜典・旅客サービス課長(左端)=23日、岩手県大船渡市、上田潤撮影 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県の第三セクター三陸鉄道が、被災地視察のガイドを始めた。会社存続の危機にひねり出した窮余の策。社内外には「震災でカネを稼ぐなんて」との声もあるが、地元を熟知した社員の案内で被災の実情を訴えている。 「津波はあの丘まで押し寄せました。40メートル近くに達した所もあります」 23日、同県大船渡市を視察した神奈川県横須賀市議7人に、同社の赤沼喜典・旅客サービス課長(48)が説明した。 自身は宮古市の自宅を津波で失った。「津波の時は『てんでんこ』。家族のことを考えずてんでに高台に逃げないと共倒れになる」という地元の言い伝えを説明すると、視察の市議らがうなずいた。 同鉄道は三陸海岸沿いの約108キロで1984年から運行し
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