フィリピンのドゥテルテ大統領が「大統領就任前の市長時代に警察に手本を示すためみずからの手で犯罪者を殺害した」などと発言したことについて、国連の人権高等弁務官は、フィリピンの司法当局に対して大統領を殺人の疑いで捜査するよう求める異例の声明を出しました。 これについて国連のゼイド・フセイン人権高等弁務官は20日、スイスのジュネーブで報道官を通じて声明を発表し、「フィリピンの司法が正常に機能しているのなら、殺人を認めた人物を捜査しないことは考えられない」として、フィリピンの司法当局に対し、ドゥテルテ大統領を殺人の疑いで捜査するよう求めました。 ドゥテルテ大統領は、ことし6月の就任後も違法な薬物の撲滅を掲げ強硬な取締りを進めていて、これまでに2000人余りが警察に殺害されていることから、人権を尊重すべきだという声が国内外で高まっています。 ゼイド高等弁務官は、大統領のこうした姿勢がかえって殺人など