整形外科では治せない腰痛がある。横浜市立大学附属市民医療センターペインクリニック内科の北原雅樹医師は「痛みが3カ月以上続く『慢性腰痛』の8割は筋肉のコリなので、整形外科での手術などでは痛みの原因は取り除けない」という――。(聞き手・構成=医療・健康コミュニケーター高橋誠) 長引く腰痛は、整形外科では治らない 国際疼痛とうつう学会では慢性痛を「急性疾患の通常の経過、あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて、長期(3カ月、または6カ月)にわたって持続する痛み」としています。通常治る期間を超えた痛みということです。 慢性の腰痛に悩む人々は、1271万人もいらっしゃいます(厚生労働省資料2019年「国民生活基礎調査の概況」)。整形外科医は、腰の痛みの原因が腰椎や神経にあると診断しがちです。しかし圧迫骨折や明らかな神経所見がない限り、腰椎が原因ではなく、ほとんどは筋肉のコリに原因があります。 に