倫理的観点から未だに議論の耐えない安楽死問題。安楽死とは、末期がんなど「不治」かつ「末期」で「耐えがたい苦痛」を伴う疾患の患者の強い求めに応じ、医師などが患者を死へと導くことで自殺幇助の行為にあたる。 日本においては安楽死は法的に認めておらず、刑法上殺人罪の対象となる。 現在スイス、米オレゴン州・ワシントン州、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクが積極的安楽死を認めている。スイスでは1941年から、医師以外で利害関係のない人の手による自殺ほう助を認めており、チューリヒでは毎年200人近くが自らの意思で命を絶っている。 世界で最も進歩的とされるスイスの安楽死制度を利用するため、外国人の末期患者がスイスを訪れる「自殺ツーリズム」が多く行われているという。