区役所に行こう 夏に生まれた夫と冬に生まれた私が、秋に結婚を決め、約半年後に新居への引越を済ませた。陽気のいいこの季節にも何か記念日を作るといいね、と区役所へ婚姻届を提出したのが4月25日。夫のオットー氏(仮名)の既存の籍に私が配偶者として加わり、戸籍上、両親の籍から抜けた私の姓が改められたことになる。 独身時代は「夫婦別姓」を強く強く支持していた。何か特別な考えやポリシーがあったわけではない。とくに考えやポリシーもなく「夫婦同姓」を受け入れる人たちとは相容れない、というのが、唯一最大の理由だった。具体的には、「女の子は結婚すると苗字が変わるものだから」と口にするような大人が大嫌いだった。 初めて実印を作った高校生のとき、一生ものですよ、と「苗字なし」タイプの印影を勧められ、そのあまりの理不尽さに文具店のカウンターで発狂しかけたことがある。これからの人生、どこの誰といつ結婚しようがしまいが
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