第3節 家族、コミュニティ 1 核家族化 〔26〕 工業化、都市化などさまざまな要因により、家族は形態も機能も大きく変化してきた。特に戦後の変化は急速であり、一世帯当たりの平均世帯員数は、1950年(昭和25年)に5.0人であったが、1975年(昭和50年)には3.4人に減少した。 都市に移動した人々の多くは、夫婦とその子供のみを基本的構成単位とする核家族を形成するようになり、大家族の拘束感や緊張関係から解放され、戦後の民法改正等もあって自由な家族関係の精神が根付いていった。 同時に、核家族の中での育児の負担の増大、高学歴化に対応するための教育費用の増大、急激な都市化の中での劣悪な住宅事情等を背景として子供の数も減少し、家族の規模は小さくなってきた。 〔27〕 こうした過程の中で、かつて家族が持っていた機能の多くが外部化されてきている。特に相互扶助の