ネズミを対象とした実験から、ヤーキーズとドッドソンは覚醒状態と学習のパフォーマンスの間には逆U字型の関係があることを明らかにした。これはつまり、課題の難易度によって最適な動機づけの水準があるということを示している。ある程度までは動機づけ(覚醒)の増加とともに行動はよくなるが、最適水準を超えると逆に低下していく。動機づけが強くなりすぎるとかえって成績が低下するのだ。これは高すぎる動機づけがストレスとなって知覚や記憶の正確さが失われたり注意の幅が狭くなったりすることによって生じる現象である。これを動機づけの集中化という。また、動機づけやストレスが極度に低い場合も同じことがいえる。