前木:もともとは同じ学生寮にいた仲間が設立のメンバーです。農業おたくというか、農業を愛する農学部の人間が何人かいて、彼らと一緒に農業にかかわる問題を議論していたのが出発点です。「世の中ではこう言われているけど、実際のところはやってみないと分からない」という思いから、現実に会社を作ることに至りました。 野菜を作るとか研究するというスタンスではなく、卸に着目したのはなぜでしょうか。 前木:世の中で確実に需要があるのに、欲しい人の手にうまく届いていない野菜があるという問題に気づいたことです。例えば伝統野菜と言われるものです。もともと僕の父が東京で野菜の卸をしており、学校や官公庁と取引があったという背景もありました。卸は農家と飲食店の間にあって、様々なプロデュースができる可能性のある存在だとも考えました。 日本の農業の問題はいろいろあると思うんですが、端的には「夢がない」ことだと思います。小学生に