病院で緊急に執り行われるものと言えば、手術に決まっている。8月26日の真夜中過ぎ、ニュージーランド・タウランガ市内の病院にイブリン・ハリスさんという33歳の女性が運ばれてきた。かなり重篤な容態だった。医師たちは、彼女の命の灯火が今夜中に消える可能性もあると告げた。 イブリンさんにはハワードさんという夫がおり、しかも3人の幼い子供たちがいたが、まだ正式に結婚式を挙げていなかった。病院に運ばれたイブリンさんには夫のハワードさんと子供たちが付き添っていたが、知らせを聞いて身内の人たちや友人たちも病院に続々と駆けつけた。 夜勤中の医師やナースたちの協力の下、大至急で式の準備が行われた、病院中から花がかき集められ、牧師も眠い目をこすりながら現れた。こうして、にわかごしらえの“緊急結婚式”が午前2時45分の病室でささやかに執り行われたのである。 しかし、医師たちは、どうして緊急処置を取ろうとせずに緊急