いろんな店舗を回っている為、私のいる店には滅多に顔を出さない女上司が小学生の娘さんを連れてやってきた。ピンクのランドセルを背負った彼女は恥ずかしそうに私に挨拶をし、事務所で絵を描いたりDSをしながら母親である上司が仕事を終わるのを待っていた。「こうやってお母さん待ってる事多いの?」「うん…」彼女は絵を描いてもDSを始めてもどこか上の空で、すぐにやめては何か違う事をする…の繰り返しだった。そんな彼女に私はいつの間にか昔の自分を重ねていた。 私の母親も仕事をしていて、当時小学生だった私は学校が終わると母の職場に帰り、仕事が終わるのを待っていた。一人遊びには慣れていたし、絵を描くのもテレビを見るのも好きだったけど、母を待っている間の一人遊びはつまらなかった。夜になり母の仕事が終わるとランドセルを背負って一緒に家に帰った。「夜なのにランドセル姿」な自分が恥ずかしくて、嫌で嫌でたまらなかった。 もし