世界最大の自動車市場を抱える中国は、電気自動車(EV)のフロントランナーとして爆進しています。トヨタ自動車で1993年から中国事業に携わった元上海首席代表の東和男さん(75)は、同社退職後も中国にとどまり、日系自動車部品メーカーを集めた工業団地を開設し、活動しています。日本の技術協力から始まった中国の自動車産業の発展ぶりをどう見ているのでしょうか。自動車から見える日中関係とは――。 ――中国で取材していると、トヨタ自動車について多くの人が触れるエピソードがあります。「中国が改革開放にかじを切ってまもない80年代初め、中国政府の誘致に対してトヨタは無視したが、ドイツのフォルクスワーゲンは応じてくれた」と。 北京で閣僚クラスの方から直接言われたことがあります。井戸を掘らざる者、水を飲むべからず――と。80年代のトヨタは、東南アジア、米国、続いて欧州といった順番で展開する戦略でした。中国は視野に
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