大学時代、スキンダイビング部に入っていた遠藤直紀は、世界のダイビングスポットに潜りに行った。ダイビング旅行で感じていたのは、「英語が通じない」ということだった。 大学3年も終わろうとしていたが、他の学生のようにリクルートスーツに身を包んで、本当に入りたい会社かどうかもよく分からないのに、面接で「是非とも入社したい」などと言う気になれなかった。「それより何かスキルを身につけることだ」と考えた遠藤は、語学を学ぶため大学4年の4月からアメリカに渡った。 コロラドスクールオブマインズという鉱山など資源開発専門の大学で7ヵ月学んだ。ホームステイ先は、父親が書店員、母親はパートで働いている、どちらかといえば貧しい家庭だった。そこで遠藤は衝撃を受ける。その貧しい家庭がパソコンを購入したのだ。1996年のことで、Eメールやインターネットをするためだという。日本ではそんな使い方が一般化していないときである。
