若い人から見れば、三十年前も、平安時代も、たいして変わらないかもしれませんが、筆者にはつい最近のことのように思えます。昭和が終わりに近づいていた頃、横浜の大きな書店で実際に体験した話です。 最初にお断りしておきますが、この文章は書店や取次や出版社などに関しての批判ではありません。ただ、アマゾンも楽天ブックスも無かった時代、読みたい本を自宅に送ってもらうようにすると、こんな感じだったというのを知ってほしいと思い、書きました。 まだインターネットも携帯電話も普及していない時代です。 その頃、高校生だった筆者は、横浜に出掛ける用があったので、ちょうど父親から頼まれていた本を買おうと思い、横浜駅前の大きな百貨店に入っている書店へ行くことにしました。誰でも知っている有名な百貨店ですし、同じく誰でも知っている有名な書店です。 頼まれていた本は、こんな本です。