『魔法少女まどか☆マギカ』と時間遡行者・虚淵玄 - Spur-of-the-moment ideas−考えのはずみ− あとがき 虚淵玄は、心温まる物語を書きたい。 過去の私の芸暦を知る人ならば、笑えない冗談だと眉を顰めることだろう。だって他でもない私自身がそう思う。この指がキーボードを叩くたび、現れ出るのは狂気と絶望の物語ばかりなのだから。 昔は、それでも、まだマシだったと思う。手放しで喜べるようなエンディングではないにせよ、劇終のシーンに立つ登場人物には、『まぁ今後も色々と大変だろうが、頑張れや』と背中を叩いて送り出してやれるような、そういう結末を描けた頃が、私にも、あるにはあったのだ。 それがいつの頃からか、出来なくなった。 ヒトの幸福という概念にどうしようもない嘘臭さを感じ、心血を注いで愛したキャラたちを、悲劇の縁に突き落とすことでしか決着をつけられなくなった。 物事というのは、