20世紀の終わりの私は、下を向いていきていた。なにしろ大塚銀悦の「濁世」を読んでいた頃である。大塚銀悦・国映のピンク映画・水道橋の場外、私の居場所はそんなところにあった。つまりは日蔭者であった。宇多田ヒカルの登場は、そのような私に追い打ちをかけ、この日本社会から居場所を失うような疎外感を覚えさえした。そんなころ、亀有名画座(拙ブログエントリ「ラストショー / 亀有名画座」)が閉鎖したりもした。97年の山一破綻により、経済危機が言われたけれども、カタストロフィは訪れることはなかった。「希望は戦争」のようなことを、あの破綻の際に想ったのだ。そのような無能者には天才少女は眩しすぎた。 以下は、過日youtubeに全曲のPVをアップしたhikkiさんのそれを発表順に視聴・ブックマークしたものの整理である。 なお、紀里谷さんは素晴らしいディレクターであると想う。画の作り込みのみならず、編集も上手いし