ここまでにもテンソルという言葉はちょくちょく出てきましたが,いよいよテンソルの勉強を始めます.添字を使ったベクトルの扱いに慣れていれば,テンソルの計算そのものはそれほど難しくありません. 復習のため,まずスカラーから話を始めます.スカラーとは座標系によらない量ですから,例えば がスカラーだとすると,どの座標系から見ても は です. には添字も何も付きません.添字の数は です.ふむふむφ(..) 次にベクトルを思い出しましょう.ベクトルはある座標系の上で のように書けました. と略して, と書くことができますので,添字の数は です.ベクトルの成分は,座標系に応じて変化します. 最後に, 計量テンソル の記事に出てきた計量テンソル を考えてみます.計量テンソルは次式のようにベクトルをベクトルに変換するものとして定義されていましたが,名前の通りテンソルです.添字の数は見ての通り です. 添字の数