金川 欣二:マックde記号論(言語学のお散歩) 「テイめられたシャ」------集団語とは何か 96年冬に亡くなった父親は時々、僕らの知らない単語を会話に出した。「オスタップ」といわれて何かよく分からなかったし、「レッコ」とか「ウェス」というのも分からなかった。 父の母校の商船高専に勤めるようになってから、ある程度、謎が解けてきた。 「オスタップ」というのはwash tubで「洗い桶」のことだった。「レッコ」というのはlet goということで「捨てる」という意味だった。「ウェス」というのはwasteのことでボロ雑巾などを指していた。 商船高専の学寮で使われている言葉もいくつかが分からなかった。ブッカンジョーというのは漢字で書けばすぐに分かるように「物干場」のことだった。ジョークのことはカタ振り、ジョークをいうことは「カタを振る」という。ベッドのことを「ボンク」というが、これは英語のb