(前回から読む) 細田:澤本さんの発想法を、みんなすごく知りたいと思うんですが。 澤本:いや、発想法なんてそんなすごいものはなくて、だいたいぽーっと考えているときに、出てくるんで・・・。 細田:というと? 澤本:もともと僕には妄想癖がありまして、たとえば地下鉄でロシア人を見かけたとします。いや、見ただけだとロシア人って分からないんですが、金髪だから、多分ロシア人だろう、と(笑)。 それで、その人がちょっとおどおどした様子だと、「あいつはロシアから来たスパイで、これから外務省に行くところなんだけど、字が読めないから間違った方向の地下鉄に乗っている。霞が関からどんどん遠ざかっている…」というようにストーリーを作り始めて。 細田:妄想でいろいろ楽しんでいるんですね。 澤本:一種、変態ですよね(笑)。で、そんな中に、今、与えられてる課題を解く、という行為も含めちゃってる感じなので。「このロシア人は