言論には言論で対抗するべきといういわゆる対抗言論の法理というのは、いわゆるニフティ訴訟の前後には一時盛り上がりました。しかし、ネット上での名誉毀損に対しては対抗言論で対応すべきであって訴訟等で対処するのは間違っているとする考え方は下火になっています。実際、我が国では、企業等の不祥事についての内部告発方法としての、「ネットへの匿名での企業についてのネガティブ情報の流布」を法的な保護に値するものとしては認めませんでした(cf.公益通報者保護法)。 実際、「言論には言論で対抗」できる領域というのはせいぜい「オピニオン」に関する部分に限られるのであって、「内部告発」されるべきものとして予定されている「事実」の存否については、その「事実」が存在すると主張する側から情報源を含む証拠が提示されないネット上の言論に言論で対抗することは大抵の場合困難です(例えば、「私は、N大学の教員ですが、同僚のM教授は、
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