社員は経営者の苦しみを分かち合えない 強く申し上げたいのは、余力のあるうちに、平常心を保って判断し、実施しなければならない、ということです。私の親父の会社は、社員に退職金を支払う余裕もなくなりましたが、然るべきタイミングで銀行と交渉し、取引先の支払い条件を変え、物件の処分や、利益を出せる人たちへの経営委譲を一気に行うことで危機を乗り越えることになりました。比較的判断は早いほうだと自負する私ですが、やはり長年ご一緒した社員を切るのには抵抗があります。先延ばしにしたかった。でも、彼らを率いて利益が出なくて、困るのは自分です。社員は経営者ではありません。いい意味でも悪い意味でも、社員は経営者の苦しみを分かち合うことができないのです。だから、彼らに相談しても、判断を遅らせることにはなれども早くなることは絶対にありません。 そして、若くて優秀な社員から、会社に見切りをつけて去っていきます。残るのは、