過去10年間で実質GDPが倍になるなど、大幅な経済成長を遂げたフィリピン。今では首都マニラには高層ビルが立ち並び、コンドミニアムへの投資も盛んになってきている。以前の貧しさや治安の悪さが際立つイメージは払拭されるべき時が来ている。 この躍進を下から支えているのは、実は「英語のフィリピン」だ。元々、島によって言語が異なっていたため、フィリピンでは英語が事実上の公用語となっている。この特徴を活かし、英語が使える割には安価なメイドとして、長年にわたり多くのフィリピン人女性が世界中の各国で出稼ぎしてきた。 昨今の通信コストの劇的な低下につれて、米国系企業が英語圏の顧客に向けたコールセンターをフィリピンに開設するケースが増加してきている。さらに、アジア通貨危機の後、韓国人が英語学習のために多数訪れるようになり、短期間で英語能力を向上させることが一般的なものとなった。