11月第4週目、行政刷新会議によって2010年度予算概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」は後半に入った。11月25日は文部科学省の担当事業を対象とする「仕分け」がおこなわれた。筆者が傍聴した二つの事業の仕分けについて私的な報告を記しておきたい。 国立大学は2004年に独立行政法人化され、各大学の自主性・自律性が重視される制度へと大変革されたが、その後も、デュアル・サポートとして基盤経費と競争的資金が国立大学に配分されている。基盤経費とは「国立大学運営費交付金」であり、各独立行政法人は授業料徴収や付属病院収入などと合わせて、これを人件費や物件費などの必要な運営費に充てる。他方、競争的資金は「科学研究費補助金」や「グローバルCOEプログラム」などで、計画の内容や将来性を公募で競争した後で獲得できる資金である。25日の仕分けでは、「国立大学運営費交付金」と「グローバルCOEプログラム」などが対