島岡まな先生の「強制性交等罪における暴行・脅迫要件について」(『日高義博先生古希祝賀論文集下』所収)を読んでみました。 島岡先生は、2003年のイギリス性犯罪法について、「責められるべき人間は被害者ではなく加害者である」「密室の目撃者もない場所で、行為者と被害者の人間関係の中で起こった犯罪について訴訟となった場合にリスクを負うのは、被害者ではなく行為者である」という、いわば当然の(にも拘わらず今まで男女の力関係により不当に無視されていた)こと」を「明示的に立法した画期的な法律」であるとして高く評価します(136頁)。 ただ、これは、男女間の性行為に関して女性が被害者であるということを前提としている点で、男女が平等な社会では受け入れられにくいものであるように思います。密室の目撃者もない場所でなされた性行為(公然わいせつ罪がある以上、通常そうです。)については原則性加害なのだという前提がないと