ことし4月に全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われた「全国学力テスト」の結果が公表されました。テストが始まった10年前に比べて、正答率の高い県と低い県の格差が縮まり、学力の底上げが進む一方で、学校のテスト対策が過熱し、現場からは懸念の声が上がっています。学力テストを始めて10年。テストの現状と見えてきた課題について解説します。(社会部 森並慶三郎記者) 全国学力テストは、平成15年の国際的な学力調査で日本の子どもたちの学力低下が指摘されたことが導入のきっかけでした。文部科学省は授業時間を削減したいわゆる「ゆとり教育」への批判の高まりもあって、平成19年、43年ぶりにこの学力テストを始めたのです。 毎年出題されるのは国語と算数・数学です。基礎的な学力を問うA問題と、知識を活用する力を問うB問題があります。 例えば、ことしの中学校の数学Bでは、価格の高い電気自動車と価格の低いガソリン車を購