組織は大きくなるにつれて「普通の人」の割合が増えていきます。つまり、良くも悪くも人間が一般的に持っている性格や性質に組織の意思決定が左右されていきます。人間は基本的には保守的で変化を嫌う生き物ですから、勢い組織全体としても変化、あるいはそれに伴うリスクを嫌う方向に進みます。これも後戻りができない不可逆過程といえます。 これが「前例主義」や「他社事例至上主義」となって、新しいことに挑戦しようとする少数派のイノベーターを大きな組織の中で生きづらくしていきます。 結局安心材料は「前例があるか?」 組織は「成長」に従って常識的な人の割合が増えていくのはこれまで連載で述べてきた通りですが、そうなると集団としての心理もそれに強い影響を受けていきます。大多数の人が持っている心理的な性質というのは、 変化を嫌う リスクを嫌う(たとえそれがハイリターンが期待されるものであっても、同じ期待値であればローリスク
![根強い「前例と他社事例」主義、イノベーションはこうやってつぶされる](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)