今回お話を伺った奥田知志さんは、北九州を中心にホームレスの自立支援活動に長年携わっていらっしゃる。奥田さんは「ホームレス」と「ハウスレス」は違うと言う。ハウスレスというのは単に住むところがないことを意味するが、ホームレスとは単に物質的なものや機能的なものの欠落ではなく、人が生きていくうえでかけがえの無い関係性を失ってしまった状態のことだという。 奥田さんは、その支援活動において「ホーム」を取り戻すことを目指している。奥田さんはひとりの自立支援のために数人でチームを作って取り組んでいる。 脳科学的に言うと、ホームとは「安全基地」の問題でもある。「ホーム」がない人は、物質的には守られていて社会生活を送っていたとしても、チャレンジができない。そういう意味では、実質的にホームレスという人は、総数として人口のかなりの比率を占めているのではないか。 ホームレス支援というのは、社会のお互いが助けあうこと