こんばんは、ゴイサギです。淋しいとき、私は少しないています。 それはいつ現れますか。私のそれは自分と向き合うことでやってきます。月夜、水面にはこちらを覗き込むもう一人の私が現れ、すると魚を追うのも忘れて、魔法にかけられたごとく見つめ合ってしまいます。もうひとりの自分が、私の様子を確かめに来てくれたようで安堵します。水が少し温んだ気がします。 水面の自分が小首を傾げ、順調?と問いかけます。順調です。魚は美味しく、コロニーは安全で、ホシゴイと呼ばれる子供も2羽育てています。マズロー的にはやがて自己実現の段階です。そうですが、このまま自己を実現して良いのでしょうか?幼い頃、将来は月まで飛んでいき、星粒を集めて暮らすと信じていました。けれど今、こうして小さな橋の下にじっとしています。ねぐらと餌場を行き来するだけで、この翼で月まで行けるか試してもいません。私は、私でいられていますか?濡れた瞳の自分が
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