JR西日本は、台風12号の豪雨により、紀勢線新宮駅(和歌山県新宮市)で立ち往生したままの特急用電車3編成(計18両)の“救出作戦”を計画している。 大阪方面の車両基地などへ戻してくる方針だが、同線は新宮以南は一部区間が不通。JR東海が管轄する同線の名古屋方面へ迂回(うかい)させる計画で、JR西はJR東海と調整を進めている。 同線は、鉄橋の一部が流失した新宮―紀伊勝浦間が不通で、大阪方面からの電車は紀伊勝浦で折り返す。 台風の接近時に新宮駅で止まっていた特急「スーパーくろしお」の2編成と、特急「オーシャンアロー」の1編成は動けなくなった。白浜駅で浸水被害を受けた「オーシャンアロー」の1編成も修理中だ。 大阪方面からの特急は車両不足で本数を減らして運転し、1日7往復あった新宮方面への特急は、今は2往復。熊野三山などを抱える和歌山県南部の観光関係者にとって、特急の本数減は死活問題になっている。