日本人がなじんできた「お葬式のかたち」がいま激変している。従来型のお葬式ではなく、「家族葬」が広く受け入れられ、弔いの形は家から個へ――。葬儀費用の「見える化」と価格破壊は何を生むのか。AERA 8月7日号で、新しい葬式の姿と、大きく影響を受ける仏教寺院のいまを追った。 「檀家(だんか)制度廃止」という、江戸時代から連綿と続く仏教のスタイルに一石を投じた、古刹の僧侶がいる。“裏切り者”のレッテルを貼られながらも、改革に驀進中だ。 * * * 地方を中心に集落の高齢化や過疎化、地域共同体の希薄化で、江戸時代から400年近く続く檀家制度が、揺らいでいる。そんな時代に、「改革」に名乗りを上げた僧侶がいる。埼玉県熊谷市にある曹洞宗の古刹(こさつ)・見性院(けんしょういん)の橋本英樹(えいじゅ)住職(51)だ。 「今の資本主義経済の自由競争の中で、お寺だけ時間が止まり、僧侶も堕落していま