日本の製造業が景気回復の手応えを感じはじめてから、もう2年近くたつ。業種・地域ごとに濃淡の差はあれども、いまはどこの会社に行っても、多忙な状況だ。10年以上続いたひどい不況の時代に、企業は可能なかぎり人減らしをすすめたから、今さら急に業容が拡大したって、体制が追いつかないのは事実だろう。 製造現場はそれでも、派遣労働者をあつめてきて何とかしのいでいるみたいだが、技術者となると、そうはいかない。その業種・その会社の技術内容をよく知った人間でないと、エンジニアはつとまらないからだ。おかげで、どの会社でもエンジニアの労働時間がふえる一方だ、このままでは過労で倒れそう、と声なき悲鳴が聞こえる昨今である。 そんな現状があるからだろう。人・モノ・金につづく経営資源の第4の要素として、『時間』があらためて注目をあびるようになった。会社組織として、時間をいかに管理していくか。それは納期短縮にも製品開発競争