2006年09月18日22:15 カテゴリ書評/画評/品評 3年ではなく3世代必要な議論 たつをくんに先を越されてしまった。 若者はなぜ3年で辞めるのか? 城 繁幸 むしろ若者ではなく、その上の世代にこそ読んで欲しい本であった。 本書「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の主題は、むしろ副題の「年功序列が奪う日本の未来」の方にある。本書は「若者を3年で辞めさせないようにするためにはどうするべきか」という人事部に対する本でも「若者として3年以上勤めるにはどうするべきか」という本でもない。 本書は指南書ではない。「なぜ若者は3年でやめてしまうようになったのか」の理由を述べた告発本である。筆者はその理由として、年功序列を挙げる。いや、少し違う。年功序列が機能しなくなっているにも関わらず、それに代わる制度設計を怠った企業、政府、そして「上の世代」を挙げている。 著者の城氏は1973年生まれ。団塊ジュニア