「人以外、何でも売って歩いている青森ですよ」。青森県の三村申吾知事は冗談めかしてこう語る。2003年6月の知事就任後、「総合販売戦略課」を設立。「攻めの農林水産業」をキャッチフレーズに、青森県産の農産物を国内外に売り込む。 知事の笑顔とは裏腹に、青森県が置かれた現状は厳しい。基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字幅は縮小しているが、県の借金を表す県債残高は1兆2746億円(2007年9月末)と一般会計予算の1.8倍という水準にある。有効求人倍率も「0.47」(2007年)と全国最低レベル。使用済み核燃料の再処理工場という県特有の問題も抱えている。 だが、「売って売って売りまくる」、そう明るく語る三村知事と青森県の取り組みは、苦境にあえぐ地方が進む1つの方向性を示している。2007年6月に再選を果たした三村知事。独得の調子で、これまでの取り組みや成果を語った。まずは、青森空港の活性化の