Amazon.co.jpなどネット書店が売り上げを伸ばす中、既存の書店が苦しんでいる。新刊書店30店舗と古書店160店舗がひしめき合う東京都千代田区神田神保町は、長引く出版不況に加え、近隣の大学が郊外に移転した影響などで訪れる人が減り続けているという。 町内に本店を置く三省堂書店は、神保町“復活”の第一歩として10月から、町内の他書店と在庫情報を共有し始めた。探している書籍が三省堂になければ、在庫のある他の書店に案内する仕組みだ。 ライバルに顧客を渡すことにもなりかねないが、神保町全体の活性化を優先。「神保町なら探していた本が必ず見つかる」という環境を築きながら、実店舗の良さをアピールする手段を探っていく。 神保町の三省堂書店本店には、店内の書籍の在庫情報を検索できるタッチパネル端末が9台ある。10月から同端末で、同店の約300メートル先にある岩波ブックセンターの在庫情報を検索できるように