「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」などのヒット作を生み出してきたスタジオジブリ。だが、この夏休みに公開した「ゲド戦記」の興行成績は、伸び悩みぎみだ。7月29日の公開から8月20日までの興行収入は53億円、動員数は420万人で、興行元の東宝は「夏の邦画の中では最高ではあるが、『千と千尋』に比べれば6割程度の水準」と言う。 「業界関係者はジブリなら100億円は堅いと見ていたが、それは難しそう。興行実績に対する期待が高すぎたとも言えるが、観覧客からは『内容が期待外れだった』との声も聞かれた」(日経エンタテインメント!編集部)という。 伸び悩んだ「ゲド戦記」 この作品では、「千と千尋」などで世界的に著名な宮崎駿氏の息子、吾朗氏が初めて監督を務めた。「ゲド戦記」の伸び悩みの背景には、細部にわたり徹底的に自らチェックする駿氏のような異才がいなければ、世界の衆目を集める作品を生み出せなくなりつつある