「ピカソの絵って、落書きみたいなのに、なんで有名なの?」 子どもなどにそう聞かれて、困ったこと、ありませんか。 「ピカソは本当はすごく上手に描けて、昔は写真みたいな絵も描いてたんだけど、わざとああいう絵にしたんだよ」 ピカソのことをほんの少し知っている人なら、こんな答えを返したこともあるかもしれない。 実際、「ゲージュツ」を理解することや説明することはすごく難しく、自分なども絵画展などに行くと、絵をアタマで理解しようとするあまり、つい絵を観る時間よりも、絵に添えられた説明を読むことにたっぷり時間を費やしてしまったりする。 絵の見方には答えはないのに、答えを求めるクセがついているのかもしれない。 そんなとき、衝撃だったのが、『小学館あーとぶっく ピカソの絵本あっちむいてホイッ!』(構成・文 結城昌子)。 1993年に刊行されたこの本には、ほかに『ゴッホの本うずまきぐるぐる』『モネの本太陽とお