2年生のゼミで「食事と家族」についての発表があった。 「個食」という言葉が日本語の語彙に登録されて久しい(ATOKでは「こしょく」と打つとちゃんとこの文字が出てくる)。 ご存じでない方のために申し添えると、これは「ひとりでご飯を食べる」ということである。 「個食」は「孤食」でもある(これもATOKの語彙には収録されている)。 同じテーブルを囲んでいても、家族がばらばらに違うものを食べているのであれば、それも個食である。 同じテーブルを囲んで、同じ食物を食べていても、全員がテレビを見ていて無言でいるなら、それも広義における個食である。 個食の反対概念を考えればよろしい。 それは「共食」である(「ともぐい」と読まないでね)。 人々が集まって車座になり、一つの食物を分け合う儀礼を持たない共同体は地球上に存在しない。 共同体を立ち上げる基本の儀礼である。 それは原理的には「分割不可能なものを分かち