褒め方、というほどのことでもないが、なにかに対して取る肯定的な態度として「好き」「良い」「正しい」などがある。この逆は、「嫌い」「悪い」「誤りだ」になる。大雑把なひとはこれらをあまり区別しないし、またセンスの良いひとは意図的に混同させつつ駆使するが、細かい話をすればこの三つは前提がかなり違う。 たぶんこんなかんじ。 ○ × その態度の前提とするもの 好き 嫌い 主体性 良い 悪い 文脈の理解 正しい 誤りだ 体系の理解 「好き」「嫌い」は、発言者の主体がなければ判定できない。でもまあふつう主体のない人間は居ないので、もっとも要するコストの低い発言ではある。 「好き」「嫌い」は対象への評価のニュアンスを持ちながら、その発言自体評価を受けるニュアンスをほとんど持たない(意図と生じる関係性が極めて直線的だからだと思う)。ただし、それゆえに集団において「それを好き / 嫌いという主体」についての分