木村剛氏のブログに「コンプライアンス不況」という話が出ている。特にひどいのは住宅で、建築基準法が改正されてから、9月の住宅着工は前年比44%減となり、1965年に住宅着工統計ができて以来の最低を記録した。この原因は、いうまでもなく姉歯事件でメディアにたたかれた国交省が、建築確認の審査を異常に厳格化したためである。しかも古い建物の増改築にも新しい耐震基準が適用されることになったため、改築ができなくなり、かえって住宅の老朽化が進むおそれが強い。だいたい首都圏のマンションの30%が1982年の耐震基準以前の建築物であり、「姉歯マンション」を取り壊すなら、こうしたマンションも取り壊さなければならない。新築や増改築だけを規制しても、町は安全にならないのである。 それにしても、この騒ぎの発端となった姉歯事件とは何だったのか。「共犯者」として逮捕され、会社も倒産したイーホームズの元社長の『月に響く笛: