ヨハン・クライフは言う。サッカーチームには、10人の選手と、1人の左ウイングがいる。左ウイングは戦術の外側にいる、と。 チームには、優れた戦術と、理解し、忠実に従う10人の選手、そしてそれを無視する自由な個人が1人、必ず要るのだ。 意味もなくドリブル突破をはかったり、パスを出すべきところでシュートを打ったりと、その行動が味方にすら予測できない馬鹿が1人いるからこそ、戦術に厚みが増す、という理屈である。 味方にすら理解できない選手の行動を、相手が予測できるわけがない。予測できない敵の攻撃を、防ぐのはとても難しい。 ゆえに彼は(彼も)、貴重な戦力なのだ。 ☆ 自由な左ウイングの、自分勝手な行動の責任を負うのは、選手本人ではない。起用した監督である。 小学生のとき、好きな言葉を「自由」なんて書くと、自由っていうのはね、自分勝手とは違うんだ、それは責任をともなうものなんだよとお節介なことを言ってく