「何でこんなことやってるんだろうなあ。」 もう書くことは決まっている雑務の中の雑務をやりながら思った。 窓口に並ぶ老人、それに応対する同僚、それを見て考える。 こいつらは人生満足しているのかなあって。 昔は、3年前までは、とても輝いていた。 世間的にはとても頭がいいとされる分野で、俺は、とても優秀だった。 同学年ではダントツでナンバー1、テスト前はみんなから頼られた学部時代。 先輩達からは「後輩とは思えない。」、教授達からは「是非とも博士に。」、そう言われ続けた修士時代。 天狗になれた。 それはもう自分は頭がいいと思えたし、他の理系の分野を見て「こいつらのやってることは配管工と同じ。」と見下していたし、まさに大天狗だった。 しかし、井の中の蛙だった。 所詮は地方国立の中の出来事。 その後博士課程で研究室の意向に反る形で、俺はその分野では日本で一番優秀な大学の博士課程に進学した。 何の躊躇も