[ cinema , cinema ] ブルックリンにあるクラブ・カリブ、1988年。そこの支配人がロビー(ホアキン・フェニックス)。彼は兄ジョー(マーク・ウォールバーグ)の昇進パーティーに恋人(エヴァ・メンデス)と出かけるところだ。兄は父(ロバート・デュヴァル)と共にニューヨーク警察に勤務している。法の抜け穴そのもののように白い粉が取引されるクラブ、そこを取り締まる警察。兄弟という血縁の強い絆は、法の内側と外側という境界線でもある。考えてみれば、前作の『裏切り者』でもジェームズ・グレイは同じ物語を語っていた。そして背後には、ルキノ・ヴィスコンティの『若者のすべて』があると何度も発言している。 誰でもが持つだろう感想。このフィルムに映っているのはいったいどこなのだろう。何度も発語される「ブルックリン」「ニューヨーク」という言葉から、もちろんここはニューヨークなのだと知るだろうが、ぼくらが知