連日ハイチから伝えられる被災の状況は、目を被いたくなるとしか言えない惨状だ。 http://mainichi.jp/select/world/news/20100118k0000e030051000c.html だがこうした大災害の生じたとき、もちろんその出来事によって被害を被った人たちの救援が急務なのだが、そこで露呈しているものは、それまでの日常の世界に存在していた圧倒的な不均衡や歪みであり、それに対するわれわれの無関心でもあるということも、忘れてはいけない。 つまり、ハイチという国が、この現在の世界の中で極度の貧困に苦しんでいなければ、したがって一定の強度をもった建造物や医療設備や防災システムを持っていたなら、これほどの被害は生じなかったはずだが、それほどの貧困の現実と、それを作り出している世界的な富の偏在というものに、私を含めた多くの人は、このような災害の惨状に接して、初めて気づくの