中国で、バスに乗ってもスーパーに行っても、人々の会話を聞くと最もホットな話題はマイホームを買うための情報交換である。 十数年前から中国政府系の研究者は、メディアで「居者有其屋」(住むならマイホームだ)と豪語し、不動産開発と不動産購入のブームに火をつけた。 他の国では(先進国でも)考えられないことだが、大学を卒業したばかりの中国の若者はみんなマンションを買おうとする。ちなみに、大学新卒の年収は約2万~3万元程度(約30万~45万円)。それに対して都市部の新築マンションは、80万~120万元(1200万~1400万円)もする。 年収の20倍以上ものマイホームを購入しようとする考え方は一般的にあり得ない。国際的な経験則では、マイホームの値段は年収の6倍程度が上限の水準と考えられている。なぜ中国人はこんなにもマイホームを持ちたがるのだろうか。 かつてマイホームの購入は想像できないことだった そもそ