<KEY PERSON INTERVIEW> 地震学者の纐纈一起(こうけつかずき)・東京大教授が、東京電力福島第1原発事故を受け、原発の耐震安全性を検討する国の作業部会の主査と委員を7月末に辞任した。国の安全審査への信頼が崩れ去った今、何を思うのか。岐路の地震研究はどう変わるべきか。【聞き手・八田浩輔】 ◇震災で科学の限界痛感--東京大地震研究所教授・纐纈一起さん(55) --辞任した理由は。 ◆ まずなぜ引き受けたかということからお話しします。原発への批判が多いことは大震災前からわきまえていました。ただ、作業部会の委員になった07年には国内54基全てが既に造られており、こうした原発の耐震安全性を改めて検討することは、税金で地震を研究する者の責務と考えました。引き受けるからには、科学的に正しい耐震安全性が適用されるよう信念の下、努力したつもりです。しかし、東日本の太平洋沖で全く想定外のマグ
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