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  • 宵の明星 - ビームしておくれ、祖師谷へ

    暗幕のような分厚いカーテンの隙間から赤みがかった紫の光が這い出している。「もう、こんな時間か」僕は独りごちた。いくら冬とはいえ、少々長居が過ぎたのかも知れない。それにしても葵はまだ部活をやっているのだろうか。人の気も知らないでいい気なものだ。女の子の一人帰りは物騒だからと思ってた自分が馬鹿みたいだ。そりゃ彼女は運動神経はいいし変質者に追いかけ回されても逃げおおせるかも知れない。でもその整いすぎた顔立ちは衆目の目を引くには十分だ。特にくりりとした大きなアーモンド型の瞳には何とも言えない魅力がある。何があってもおかしくない。そう思って考えあぐね少し憮然としながらさすがにもう帰ろうかと思い、また思い直してをぱらりとめくると図書室のドアががらりと開き元気過ぎる声が響いてきた。「遅くなってごめん!ちと雑用があってね。帰宅部にはつらい待ち合わせだったと思うけど」「帰宅部で悪かったね。おかげでこうやっ

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