2011年3月11日午後2時47分、東日本大震災が発生したとき、私はJR東日本の代々木駅にほど近いセミナー会場にいた。セミナーは日経NETWORKが主催したもの。講義は朝から続いており、受講者が3分後に始まる最終講義の前に、最後の休憩時間を過ごしているときだった。 震災の発生直後、会場は激しく揺れて、受講者はあわてて立ち上がったり、部屋から飛び出したり、机の下にもぐったりした。私は別のスタッフと出入り口の扉を開放し、本震が収まった後、建物の外に避難するよう受講者を誘導した。 誘導後、私は別のスタッフと手分けして弊社のオフィスにいる上司と連絡を取ろうとした。状況説明と今後の対応を相談するためだ。ところが、携帯電話や会場で借りた固定電話からオフィスの固定電話や上司の携帯電話に数度かけたがつながらない。仕方なく右手と左手に携帯電話と固定電話の受話器を持ち、交互に掛け直すことおよそ10分が経過した
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