加島正浩「震災俳句を読み直す」 【連載】加島正浩「震災俳句を読み直す」第6回 2021/8/11 加島正浩「震災俳句を読み直す」, 東日本大震災 10年を迎えて, 連載・よみもの 【連載】 「震災俳句を読み直す」第6回 書く必要のないこと ―小野智美編『女川一中生の句 あの日から』 加島正浩(名古屋大学大学院博士課程) 被災した小・中・高校生の作文や手記などを集めて編集した本が、震災直後複数刊行された。俳句においては新聞記者の小野智美氏が編集した『女川一中生の句 あの日から』(はとり文庫、2012年7月)が有名であろう。 当該書籍は、女川第一中学校で2011年の5月と11月に行われた俳句創作の授業で、中学生が作った俳句と創作者への取材をベースに小野智美氏が『朝日新聞 宮城版』で2012年1月13日から4月13日まで随時連載していた記事がもとになっている。小野氏はその目的を「子どもたちの句に