世の中の話題を呼ぶ記事を次々と発信し、「バズライター」と呼ばれたこともある文筆家の塩谷舞さん。今年2月に出版した初の著書「ここじゃない世界に行きたかった」(文藝春秋)では、「バズる」記事を書くことをやめたことや、2017年からアメリカで暮らす中で気づいたことをつづっています。コロナ禍で外出の自粛が続く中、心の中を見つめ、「自分を取り戻していった」という塩谷さん。バズをやめて見えてきたものとは何か。(澤木香織) 【写真】「バズる」の行き着く先はトランプ現象と同じ、と語る塩谷舞さん ――「バズライター」と呼ばれるほど、話題になる記事を書き続けてこられました。著書の中でそうした仕事に「つかれた」と書いていました。どんな気持ちだったのでしょうか。 2015年に独立し、フリーライターとして記事を書いてきました。SNSを通して記事が広がり、「自分の放った一本の矢で、こんなにも世の中を動かせるのか」とい