印刷 塩分を取りすぎると高血圧になるといわれるが、血圧が上がりにくい人もいる。その違いは腎臓でのたんぱく質の働きの差で起こることが、東京大の藤田敏郎教授(腎臓内分泌内科)らによるネズミの実験でわかった。治療薬の開発に役立ちそうだ。 藤田さんらは、ネズミに塩分過多の食事(塩分8%)を与えて3週間観察。ネズミは最高血圧(収縮期血圧)が160に達した高血圧グループと正常値の120にとどまったグループに分かれ、前者では腎臓の細胞の形の維持などに必要なたんぱく質「Rac1」が活性化していた。このたんぱく質の働きを妨げる薬を高血圧ネズミに与えたところ、塩分過多の食事でも高血圧にならなかった。 藤田さんは「Rac1の阻害薬は高血圧治療に使える可能性がある。どの程度の投与なら副作用が出ないかなどを調べたい」と話した。結果は18日付の米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」に掲