三菱ランサーエボリューションⅩは、三菱を代表する高性能4WDセダンで、“誰もが気持ちよく安心して「高い次元の走り」を楽しめる新世代ハイパフォーマンス4WDセダン”を商品コンセプトとして開発されています。多くの新技術が採用されていますが、今回は6速自動マニュアルトランスミッションに二つの自動クラッチを組み合わせることで、“素早い変速による気持ちのよい加速フィーリング”と“高効率な動力伝達機構による優れた燃費性能”を実現したTC-SSTを取り上げます。 これはマニュアルトランスミッションの経済性と楽しさ、オートマチックトランスミッションのイージードライブを両立したものです。図1と写真1にTC-SSTの外観図を示します。従来のマニュアルトランスミッションで変速時に行っていたクラッチペダルの操作を必要とせず、また湿式のツインクラッチを採用することで俊敏にスムースな変速ができ、かつ従来のマニュアルト